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執筆者の写真YUJIN SAGISHIMA

環境研究ってどんな授業?布柴先生に聞いてみた

更新日:2021年11月30日

つながるエシカルでは、授業の担当教授にその授業に対する思いや授業内容についてインタビューを行い、記事にまとめています。履修を考えている人と履修中の人には、自分が授業にどう向き合いたいか考えるきっかけに、履修後の人には授業を振り返るきっかけになれば幸いです。

今回は一般教養科目の環境研究について、布柴先生にお話を伺いました。環境研究に込められた思いや構成については必読です!


<布柴先生のプロフィール>

1990年医学博士(京都大学)取得。Harvard School of Public Health Postdoctoral fellow、東北大学大学院生命科学研究 科分子生命科学専攻准教授を経て、2009年にICU教授。生物学メジャー・環境研究メジャー担当。専門は、微生物遺伝学・環境遺伝毒性学、環境教育など。

 

鷺島)学生は環境研究の授業を通して、様々な問題について専門家からお話を聞くことになります。この授業で布柴先生が目標にしていること、そして授業全体の目的についてお聞かせください。

布柴)ままずこの授業は知識を得るための講義とそれを活用し課題解決に一歩を踏み出すグループプロジェクトからなるアクティブラーニング型授業になっています。まず講義についてですが、CUの一般教養科目は基本的に一人の先生が担当することになるのですが、環境研究は様々な分野・視点が関わる授業なので、講師が一人だけというのは矛盾を感じさせます。そのため様々な講師をお招きしてその人の専門分野から見た環境について話してもらう、という形式をとってきました。こういった特殊な形式をとりながらも、一般教養科目の授業として学生にどうなってほしいのかという一貫した学習目標があります。私が考えている環境研究のゴールは、様々な環境問題がありますが、それらに自分も関わっているということを実感してもらうこと、そしてその問題解決に向けて小さな一歩でも自分にも出来ることがあるということに辿り着いてもらうこと、願わ自分の分の生活スタイ振り返り環境負荷の少ない生活をする学生が増える、更に問題解決に向けて仲間を集めて行動を起こしてその行動の輪をひろめることことです。環境について網羅的な内容となるように講師を依頼していますが、その上でこの目的に沿う形で講義の順番や課題を工夫しています。


鷺島)具体的にはどういった構成になっているのでしょうか?

布柴)講師の予定によって多少ずれることはありますが、前半にはデータの読み方など自分で考える上で必要になる講義を、逆に自分で考え判断して行動に繋げて行くのに役立つ講義を後半に固めています。他にも前半を多面的な考え方を促す内容にすることで、これらの講義と並行する形で行われるグループプロジェクトでの議論を活性化させる狙いもあります。グループプロジェクトでは、まずある環境問題について興味ある6人がグループを作り、その問題に関わる問い「Driving Question」をたてます。またそれに対する答えを導くための「Need to know」、例えば問題の現状、問題の本質はなんなのか、解決に向けてどのような取り組みがなされているのかなどを調べ、グループで対話を重ねていきます。最終的には、自分たちにできる解決に向けた行動を提案し、それらをポスターセッションでディスカッションするというものです。授業時間の関係もあって実際に行動に移すことを義務化はしていませんし、別に環境教育学という授業があり、そこでは実際に活動し検証するという課題があります。ただこの授業では行動を義務化していなくても毎年、授業後も環境についての学びを継続したいとか、実際に何か行動に移したいと相談を受けています。結果的には団体に所属した人、寮でイベントを企画したグループ、更にはサステナのように今も続いている活動も実現しました。嬉しいことです。

私自身は、相談をもらえば全力でそれをサポートする姿勢で環境研究を担当してきました。2021年度からはSDGs推進室も立ち上がり、その中では学生や事務の方と共に活動しています。今後はより様々なサポートが行えるようになるかもしれません。


鷺島)講義によっては学生自身がその内容と繋がりを実感できないものがあるかもしれません。実践しづらい内容も扱うのはなぜなのでしょうか?

布柴)当たり前ですが、人によって興味や関心、実践のし易さには違いが生まれます。行動できるものには是非取り組んでもらいたいですが、心や体が動きにくいものに対して無理して動く必要はありません。むしろ私が大事にしているのは、今まで知らなかった環境のことを少しでも知ることで、将来その種が芽吹く機会が来るかもしれないということです。実際に、この授業で興味を持ったことで就活の際に選択肢を持てたという学生がいました。今すぐの行動につながらない場合も今後の人生に影響を与える可能性があると信じて、多くの内容を一通り学べるように設定しています。

 

以上が布柴先生のインタビューとなります。環境研究への意識に何か変化があったでしょうか?感想や意見など、Google form(リンク)からお待ちしています。


また布柴先生には「私たちができる行動」という視点から環境毒性学に関してもインタビューを行いましたので、そちらも是非確認してみて下さい。

ここまで読んでくれてありがとうございます。また別の記事でお会いしましょう!


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