SDGsと聞くと、環境活動や国際協力など、計画性と行動力が必要だと感じてしまいませんか。今回は、布団の中からでもSDGsを考えられる本を3冊紹介します。
|5:ジェンダー平等を実現しよう
性別に関係なく平等な機会が与えられることを目標としています。
また、女性が能力を最大限に発揮できる環境を作ることを目指しています。
All In by Billie Jean King
引用:Amazon
テニス界で男女平等を目指してきた、ビリー・ジーン・キングの自伝です。映画にも描かれたバトル・オブ・ザ・セクシーズだけでなく、女性のスポーツ奨学金制度や試合方式まで、多岐に渡った活動をしてきました。彼女の功績は、テニスだけではなく、タイトルIX(公的高等教育機関での性差別を禁止する、米教育改正法第9編の通称)や同性婚合憲化にまで及びます。
1943年に生まれたビリー・ジーン・キングは、新しいことに挑戦する度に男女不平等という壁に当たってきました。未だ完全に平等とは言い切れませんが、彼女の苦労があったから、ここまで来れたということが実感できる一冊です。テニスやスポーツファンはもちろん、社会制度に興味のある人へもおすすめです。
◉書籍詳細
タイトル:All In: An Autobiography
出版社:Knopf
出版年:2021
ページ数:496
|15:陸の豊かさも守ろう
陸の生態系を知り、持続可能な方法で利用することを目標にしています。
生き物の多様性を尊重し、再生を図ります。
The Island of Missing Trees by Elif Shafak
引用:Amazon
キプロスからロンドンに移住してきた一家の物語を、あるイチジクの木を中心に描いたフィクションです。ギリシャ系キプロス人とトルコ系キプロス人のコスタとダフニーは、キプロス島の居酒屋で出会い、恋に落ちますが、戦争で離れ離れになってしまいます。イギリスで植物研究家になったコスタは、数年後、研究のためという口実で、かつての恋人を探しに島へ戻ります。
これらの出来事は、昔の回顧録として語られます。この一家の物語を通じて、父子家庭で育つエイダは、自身のアイデンティティを見つけます。人の関係性は一筋では語ることができません。しかし、その複雑な歴史には、常に一本のイチジクの木がありました。自然の偉大さと大切さを考えさせてくれる一冊です。
◉書籍詳細
タイトル:The Island of Missing Trees
出版社:Bloomsbury Publishing
出版年:2021
ページ数:368
|16:平和と公正を全ての人に
全ての人が安心して参加できる、平和な社会を構築することを目標としています。
公正な法律を定め、利用できることを目指しています。
Infinite Country by Patricia Engel
引用:Amazon
紛争に陥ったコロンビアと自由の国アメリカの間で、離れ離れになってしまった一家の物語です。マウロとエレナは、コロンビアの市場で出会います。第一子を連れて、短期滞在ビザを手にアメリカへ渡り、自由の国で二人の子供を授かります。しかし、マウロはある出来事をきっかけに、強制送還されてしまいます。末っ子のタリアとマウロはコロンビア、エレナともう2人の子供はアメリカで、紛争と不法滞在というどちらも危険と隣り合わせの生活が始まります。
紛争国で生活する困難と、移民という権利の少ない身分、また言語の壁など、多くの社会問題が扱われています。紛争がなくなり、全ての人が生まれた国から逃げるという選択をしなくても良い日が来るようにと願わずにはいられません。また、近年争点化された、米国の移民資格について、考えるきっかけにもなります。フィクションですが、とても現実味のある一冊です。
◉書籍詳細
タイトル:Infinite Country
出版社:Avid Reader Press / Simon & Schuster
出版年:2021
ページ数:208
|終わりに
ジェンダー・環境・平和という、SDGsにおいて大切な課題を扱った本を紹介しました。どれも社会について考えさせられる本です。また、読み終わると、スポーツの男女平等やコロンビアの紛争など、さらに知りたくなります。
コロナ禍で活動が制限されてしまうことが多いですが、たまには本を読んでSDGsについて考えてみてはいかがですか。
参考文献:
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